エメラルドの歴史は古く、ダイヤモンド・ルビー・サファイアと並んで世界の4大宝石に数えられています。
そんなエメラルドですが、キズが多いのは当たり前なんです。
模造品も出回るエメラルドのことを少しだけご紹介します。
エメラルドはキズがあって当たり前!
エメラルドは高温高圧の環境下で生成されるため、大きな結晶のものは非常にまれで、残念ながら傷が多く、ひび割れしやすいのが特徴の一つです。
また、内包物がないものもまれです。
そのため、表面の傷を埋めたり発色を良くする目的で、オイルや合成樹脂を含浸させる加工を施すことがあります。
石自体の割れ目や傷が少なければ、含浸処理も軽度ですむので、経年変化はわずかです。
ところが、割れ目や傷が多いために、極端な含浸処理を施したものは、わずか数か月で色あせてしまったり、傷が目立つようになってしまうことがあります。
加工の有無や、その程度はエメラルドの価値を判断するうえで大切な指標の一つとなります。
特に、宝石クラスの高価なエメラルドをお求めになる際には注意が必要です。
模造エメラルドに気を付けて!
稀少で美しいエメラルドは当然のことながら、とても高価です。
そのため、人工的に作られた合成エメラルドや、色ガラスを用いたもの、天然石と合成石を張り合わせたダブレットと言われるものがあります。
中には、天然石のように表示している商品もあるようですから、お求めになるときには気を付けてくださいね。
エメラルドがグリーン色をしている訳
エメラルドは濃い緑色の緑柱石で、地中深い岩盤の中にアルミニウムやベリリウムを含んだマグマが入り込み、冷えていきながら結晶が生成されます。
その過程でクロムやバナジウムという成分が入り込むことで、エメラルド独特の鮮やかなグリーンになります。
色の薄い透明度があるものより、光沢のある濃いグリーンの方が高級とされています。
エメラルドの語源が「緑の貴石」を意味するギリシャ語のスマグラドスなのも納得です。
エメラルドは産地によって色味が異なります
宝石のプロはエメラルドを一目見るだけでその産地がわかるほど、産地によって色味が異なる石だと言われています。
現在、エメラルド産出量は、ほぼ半数がコロンビア産で、高品質なものもコロンビア産に多く見られます。
コロンビア産エメラルドは柔らかな美しいグリーンをしており、ブルーもしくはイエローがかっていますが、純色に近く、彩度もあります。
コロンビアでは、最高品質のエメラルドを「一滴のオイル」という意味の「ゴダ・デ・アセイテ」と呼ぶんだそうです。
コロンビア以外の産地としては、ジンバブエ、ザンビア、ブラジル、パキスタン、ロシアなどがあり、それぞれに特色が異なります。
品質もさることながら、当然、価格的にもコロンビア産がダントツです。
(もちろん個体差はありますが・・・)
クレオパトラが愛したと言われるエメラルドは宝石の女王とも呼ばれ、ご承知の通り、今も世界中で愛され、そして今後も愛され続けることでしょう。